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2008年12月24日

あの戦争は何だったのか

「日米開戦と東条英機」

演出を担当された鴨下さんから、「甲高い声が、東条英機とビートたけしに共通点があって、役柄は想像以上に一致した」というコメントを事前にいただいていたので、視聴した。

ドラマはさすがに面白かった。
東条英機が真面目な事務屋であり、統帥権とはまた違う位置にあったことが良くわかった。

しかし、ドキュメンタリー部分が、ひどい!
一言でいうと、「取材不足!」。
活字をただ映像に置き換えただけ。
東条英機の獄中メモについても、スクープとは言っているが、ディレクターサイドでの熟考がなされていない。
ただ、紹介しただけなのか?スタッフサイドの調査報道がない。

音声だけの出演についても、ほとんどがこれまで文献で明らかになっているものばかり。
洞察と熟考が欠如している。
けっきょく、何が言いたかったのか?

通信傍受の部分についても、本の焼き直しをただ外国取材しているだけ。
だから、何が言いたかったのでしょうか?
新事実は何だったのでしょうか?

ディレクターの映像へ写りこみも、全く必要ない。
なぜ、ディレクターが写りたがるのかわからない。
昔の報道特集のように、取材者が、対象と向き合うわけではない。
ただ、紹介しているだけでしょう。
それなのに、Dを写す必要ないと思いますが・・・。

ドラマのインパクトの大きさに比べて、ドキュメンタリー部分の力不足が目立った番組でした。
TBSの報道は、もうすこししっかり、「取材」して欲しいね。

今回のドラマの面白さは、
真珠湾攻撃の前に、どういうことがあったのかをわかりやすく解説してくれたことだ。
日本史の授業では、ひととおり習うのだが、そんなことを入学試験が終了した後も、大学生覚えているとは思いがたい。

「戦争」と言えば、すべて真珠湾攻撃から始まったと思いがち。しかし、大事なことは、明治維新以降、日本は大陸にどうやって進出して活路を見出そうとしたのかだ。いや、よその国の領土に踏みこんで別の国を作って支配するのだから、侵略が適当となる。当時は、関東軍の暴走の結果を、日本国民が活路として歓迎したとされている。日清戦争、日露戦争、第一次大戦、満州事変、上海事変・・。事変という名前でカムフラージュした日中戦争。国際連盟脱退などなど、真珠湾攻撃の前のプロセスが、実は大変重要である。そのあたりは、構成上の問題はあったが、一応わかりやすく作られていたような気がする。

しかし、徳富蘇峰が新聞記者に語る部分は、フィクションとは言え、ありえないのではないかと思った。
いや、私が知らないだけかもしれない。本当に、あそこまで話しているのかもしれない。

ただ、徳富蘇峰は、日本国の大陸進出を擁護し、拡大をあおり、体制を批判したかと思うと体制に擦り寄るなど、ジャーナリストとは言いがたい存在。
ジャーナリストというよりは、時代の流れを洞察し察知し、国民の心をうまく捕まえることができるアジテーターという存在だったのかもしれない。

投稿者 matsuno : 2008年12月24日 23:55