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2008年09月21日

穴沢利夫さんとの再会

中央評論で特集した「戦争を生きた先輩たち」でも描かれた穴沢利夫さんについてのドキュメントドラマがあった。

「なでしこ隊~少女達だけが見た“特攻隊”封印された23日間~」

は、ドラマとドキュメンタリーが混合されたドキュメンタリードラマ。2時間という大作。
よくできているところと、いまひとつのところが混在。

穴沢利夫少尉の物語は、ドラマとドキュメントを組み合わせて、わかりやすかった。
穴沢利夫少尉が、特攻出撃しては機体の故障や天候不良で、幾度となく帰還していたという事実も、初めて知った。
そして、その帰還の背景には、婚約者への断ち切れぬ思いがあったのではないかという視点で描かれていた。
しかし、その穴沢少尉も、第2次総攻撃の時には、ついに帰らぬ人となった。

最後に、婚約者の伊達智恵子さんが、穴沢利夫さんの実家を訪ねて、残された軍服と対面するシーンがある。
行李を空けると穴沢さんが着ていた軍服が出てくる。
そのとき、智恵子さんが「あらー」と驚いた声をだし、軍服を手にとる。
そして、折りたたんで、しっかりと抱きしめる。軍服の中に顔をうずめて号泣される。
まるで、穴沢さんと再会して、婚約者の胸に顔を埋めてないておられるようだった。

この部分には、さすがに泣けた。
と同時に、戦争というものが引き起こす悲劇の現実に、なんともやるせない気持ちになった。

戦争、特攻隊という歴史的現実が、婚約していた2人を引き裂いた。
智恵子さんの思いは、63年前とまったく変わっていない。
表面的には人は老いていく。しかし、気持ちだけはまったくかわらないでいるのだということを、あらためて思い知った場面だった。

投稿者 matsuno : 2008年09月21日 21:56