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2008年03月21日

38度線と関門海峡

下関が舞台の「チルソクの夏」を、再び見た。
「チルソク」とは、7月7日の七夕のこと。
下関と釜山で交互に1年に一度開かれる親善陸上競技大会を舞台にした、
釜山の男子高校生と下関の女子高生の淡い恋物語である。

チルソクの夏.jpg

この映画で一番好きなシーンは、関門海峡の人道で、山口県と福岡県の境界をまたいで、2人が語り合うシーンである。

自分は外交官になって38度線で分断された北と南を統一するのが夢だ、と青年が語る。
それに大して女子高生の郁子が、17歳でよくそんなこと考えられるね、という。
日本は平和で、テレビ番組のことや誰がかっこいいとかそんなことしか話さないと語る。

それに、青年が語る。
「コリアも、そんな平和な国になりたい」、と。

ここで「韓国」ではなくて、「コリア」と言わせているところが、監督の北と南の双方への配慮を思わせる。
在日の多い下関出身の監督らしい表現だ。

この映画の時代は、朴正煕大統領暗殺事件、光州事件などの大事件が起きたころだ。
そして、私が最初に韓国に仕事で出されたときにも、夜12時以降は外出禁止令が出されていた。
高速バスでソウルからテジョンに向かっていると、M16自動小銃を持った兵士に職務質問を受けたこともあった。

あれから25年以上が経った。
しかし、まだ朝鮮半島は38度線で分断されている。
あくまで「休戦ライン」であって、戦争は継続している。

北朝鮮にも4回取材に行った。
38度線の板門店は、南からも北からも訪れた。
なぜか、北からのほうが、安心できた。
南から入ると、「銃撃で死亡しても文句言わない」と署名させられるからだ。

私が学生時代、バイトで教えていた塾に、父親が外交官という韓国人の中学生がいた。
名前は、そういえば「李」くんだった。
彼は、ソウル大学に行って、無事に外交官になっているだろうか・・・。

この「チルソクの夏」には、歌手の山本譲二も出てくる。
彼は、下関出身である。
彼が挿入歌で歌う五木ひろしの「雨に咲く花」が心にしみる。

この映画には、上野樹里も出演しているが、まだ無名の時代である。
ただ、主役を食うぐらいの存在感がある。

監督は佐々部清。「陽はまた昇る」「半落ち」「カーテンコール」「出口のない海」「夕凪の街 桜の国」などを手がけている。
彼もまた下関出身。だから、この「チルソクの夏」には、かなり強い思い入れがあるのだろうと思う。

投稿者 matsuno : 2008年03月21日 23:30