2007年01月31日

就職活動における恋人と親の問題(再掲載)

以前、書いていた特集「就職と人生」の中から、アクセス数の多かったものを、再掲載しております。
すこしでも参考になれば幸いです。

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さて、「新卒と留年問題」以外に、もうひとつ就職活動ではやっかいな問題があります。それは、恋人問題と親問題です。この2つは微妙に連動しています。そういう意味で、就職活動時期は、いろんな危機の時期と言えます。

大学で恋に落ちて恋愛関係になったカップルは、就職活動の展開しだいで、危機に見舞われます。片方が郷里に就職したり、あるいは就職して遠隔地に赴任したりするという事態になる場合、これは大変。特に男が地方出身で、郷里の企業に就職する場合、女の子は、どうしますか?「その人しだい」とよく言いますが、そう簡単じゃないです。特に東京で何不自由なく育った女の子が、地方の、文化が違うところに嫁にいくというのは、かなりの決心が必要でしょう。愛していても、結婚となると、いろんな不安が襲ってくるものです。


また就職で、地方に彼女を置いて東京に赴任した場合、どうでしょうか。彼女の親が、娘には地元にずっといて欲しいと言っている場合です。

また、就職して遠距離だと学生時代と違って忙しいために連絡を取りにくくなります。そうすると、「なぜ連絡しないんだ」と相手の態度に怒ったり、「浮気しているのではないか」と不安になったり、けんかをするようになります。顔を突き合わせていれば、自然に解決していた些細な問題が激論になったりします。そうした滅入った状態になると、身近にいる優しい人に惹かれてしまうこともあります。距離の差は、いかんともしがたい問題を生み出すことがあります。もちろん、そういう距離を乗り越えたカップルもたくさん見てきましたが。

もうひとつ、親の問題です。郷里に親がいて、「帰って来い」という場合、あなたはどうしますか?あるいは、今は元気でも、将来年老いてきた場合は、どうするつもりですか?

今は長男長女の時代ですから、大変です。就職試験の時に、面接官から「あなたは長男ですが、郷里に帰らなくてもいいのですか?」と聞かれたら、何と答えますか?

こうした恋愛、親、と就職の問題ですが、このジレンマを解く鍵は、「自分」にあると思います。卒業を間近に控えると、これらの渦に巻き込まれ、最後は悩みすぎて時間切れ決断に陥ることがありがちです。そこで、どうしたらよいか。

まず親は子供に何を望んでいるか?郷里に帰り、近くに住んで欲しいと思っているかもしれません。郷里の県庁、市役所、銀行、電力会社に就職してほしいと思っているかもしれません。しかし、究極は「子供が元気に笑顔で働き、活躍してほしい」のだと思います。それが基本です。子供が郷里に戻ってきてくれたのはいいが、自分の希望じゃないと文句を言い、うつ状態になった、という相談を受けたこともあります。それは、親の責任というよりも、本人が自分で自分の人生を決められなかったところに問題があります。

結論から言えば、「自分が一番元気で幸せに活躍できると思う場所」を選びなさいということです。私も会社勤務時代に面接をしていて、ある学生がこういう事を言ったのを覚えています。「私が不幸であることは、すなわち親の不幸であります。私は地方出身で郷里の親が心配ですが、今郷里に帰って親のために就職することは、私の本心にウソをつくことになります。ウソをつくと私は不幸になります。元気のない私の姿を見ることは親も望んでいないと思います。だから、若いうちは東京で夢だった仕事をしてみたい。頑張っている姿を親に見せたいと思います」。もちろんこの学生は内定しました。

こういう判断や意見で大事なことは、「親のせい」にしていないことです。「自分が最後は決断する」ということです。もちろん自分が総合的に判断して「郷里で就職する」ことを選択してもいいわけです。自分以外の者に、責任をなすりつけないことです。

それから親にとって見れば、「子供が元気であること」が基本だということですね。

恋愛問題との関係も同じです。「彼女がいるから」とか「彼氏がそこに就職したから」というなんらかの言い訳や理由をくっつけて、最終的な判断をしてしまうと、後で、その恋愛関係が壊れたときにとんでもないことになります。あるいは、就職した後に悩み始めたときに、「君がいたからだ」「君の言葉で」「あなたのためを思って」などなど、「~のせい」にしてしまう可能性がでてくるわけです。そうなると、もう恋愛関係にひびが入り始めるわけです。

よく「早く結婚したいから、就職先はどこでもいい」などという男子学生がおりますが、きっと後で後悔するでしょう。それは、その言葉の中に、彼女の存在を考慮に入れて判断しているからです。どこでもいいから就職して結婚したい、ということは、「仕事」というものを甘くみています。「仕事」は、日本人にとっては人生のかなりの部分を占めています。早く結婚するためにとりあえず就職した、という意識は、大きな後悔を生みます。そして、「彼女の存在のせいで」とぐちることになります。
それは、彼女に対して失礼ですね。

「就職」「仕事」というものを選択する場合、まず大事なことは、周囲の問題を捨象して、「自分」という1人の存在から考えることが大事だと思います。自分は何をしたいのか、何がこれまで好きだったのか、どういう能力があるのか、など、「自分」を素直に分析し、「自分」が「自分の責任」で決断することが大事だと考えます。

「親のせいで」「彼女のせいで」「彼氏のせいで」というのは、これは一見、「優しさ」のように見えますが、結局は「責任転嫁」です。自分で判断できない「弱さ」の暴露ですし、親にも恋人にも失礼です。自分の人生の選択は、最後は自分でしかできないということですね。多くの選択肢がある場合は、そのときは、「1つ」しか選べないということです。

あなたが自分の好きな「仕事」を見つけ、そこで、元気にあふれ笑顔で活躍して仕事する姿は、親にとっても、恋人にとっても、うれしいものですし、頼もしいものです。自分の人生の責任は、自分で取るしかないのです。

ただし、最後に言っておきたいことは、自分中心でとか自分勝手にということを言っているわけではありません。そのときは、そう判断せざるを得ないこともあります。親が寝込むとか、本気で結婚しなければならないときとか。そういう場合でも、最後は「自分」が主体となって判断し、その責任は自分で負いなさいということです。そうすれば、人のせいにすることなく、前向きに生きることができますよということです。

すべてをうまく行かせたいが、選択できるものは、1つしかない。そういう場合は、その時点で自分の最良の判断をし、自分で決断するのです。そして、今度は、10年、20年の長いスパンで人生の戦略を考えることです。


最後に、「自戒を込めて」という言葉を書いておきたいと思います・・・。